2010-04-03
岩本篤志、敦煌本「霸史」再考−杏雨書屋蔵・敦煌秘笈『十六国春秋』断片考、『資料学研究』第7号、27 〜62 頁、2010年3月。
「ただ北魏・崔鴻撰『十六国春秋』は南宋期にはすでに佚書となり、現在、諸書に引用されている佚文を見渡しても、どれが原本からの正確な引用か必ずしもあきらかではない。また現存する『十六国春秋』の類はいずれも、明代以降に屠喬孫や湯球によって整理されたもので、崔鴻の原本を復原したものではない。もし、「敦煌秘笈」の三断片が『十六国春秋』か、それに近い霸史類に由来するのであれば、五胡十六国期の研究においても、唐代以前の史書編纂や歴史観を考える上で新しい知見をえる手がかりになるとおもわれる。」
セ記事を書く